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【JFA100周年企画】

「記録はいつか
抜かれるもの。
その日が来るのを
楽しみにしている」
澤穂希さん
(元なでしこジャパン)インタビュー

2021/09/10
©JFA

VOICES

サッカーファミリーの声

日本サッカー協会(JFA)は2021年9月に創立100周年を迎えます。ここではサッカーの魅力について考えるきっかけにするために、さまざまなサッカーファミリーにインタビューを実施します。第18回目は元なでしこジャパン(日本女子代表)でFIFA女子ワールドカップ優勝時のキャプテンでもある澤穂希さんに登場いただきました。

サッカーと出合った時期ときっかけは?

私には一つ歳上の兄がいて、地元のサッカークラブに所属していました。私が6歳のころに母は、兄が練習するグラウンドに私を連れて行ってくれました。その時にコーチの方が「妹さんもボールを蹴ってごらん!」と誘ってくれました。そして、蹴ったボールがゴールに吸い込まれていくのを見て、とても心地よい気持ちになったのを今もよく覚えています。これが私とサッカーの出合いです。

その後、小学2年生の時に、兄が所属するクラブに入ることになったのですが、そのクラブは男子のみのチームでした。なので、女子の入部は前例がないという理由で、当初は入部を認めてもらえませんでした。悲しむ私を見かねた母は、その後、クラブの代表に何度も掛け合ってくれて、「女子の入部という前例がないのなら、私の娘でクラブの新しい歴史をつくってください」と迫り、晴れて入部を許可されたエピソードがあります。

母は子どもたちが自主的にやりたいと言ったことは何でもさせてくれました。あの時、母の頑張りがなかったら、私はサッカーを始めることができなかったので、母にはとても感謝しています。

サッカーのどのようなところに魅力を感じて、のめり込んでいったのでしょうか?

3歳の頃から水泳もしていたのですが、サッカーは水泳のような個人競技とは異なり、仲間と練習を重ねながら目標を達成する楽しさがあり、私の性格的にも団体競技が合っていました。また、練習すればするほどうまくできるようになって自信が増し、試合でゴールやアシストをする喜びにもつながっていきました。

©JFA

2015年まで現役を続けましたが、サッカーをしてきてもっとも印象に残っている出来事は?

優勝した2011年のFIFA女子ワールドカップです。特に、決勝のアメリカ戦は忘れられません。延長で1点リードされた時、試合を見ていた人たちの中には諦めかけた方々もいたかもしれませんが、私たちは全員、最後まで諦めずに戦いました。延長後半の同点弾は、そんなみんなの強い気持ちが表れたゴールで、それがPK戦につながって優勝できました。 私のサッカー人生における一番のターニングポイントであり、印象に残る試合です。 この後から、世界の女子サッカーの流れもガラッと変わったように思います。

サッカーと出合い、どのように人生が豊かになりましたか?

サッカーをしていなかったら出会えなかったさまざまな人や仲間と出会って、海外での生活や異なる文化にも触れることができました。サッカーを通じて広い世界を見ることができて、豊かな人間関係を築くことができました。

ご自身にとってサッカーとは?

人生の全てでした。たくさんのことを学び、成長させてもらいました。さまざまな出会いや経験を通して自分の感性を磨くことができました。現役を引退して、今は家族や子どもが自分にとって大切な存在になりましたが、サッカーがあったからこそ今の自分がいますし、とても感謝しています。

JFAは今年の9月に創設100周年を迎えます。率直な感想をお聞かせください。

日本代表として活躍された先輩方や、役員、スタッフ、サッカーに関わる全ての関係者の方々の支えがあっての100年です。女子サッカーに対しても、いつもあたたかい目を向けていただき、最大限のサポートをしてくださいました。今後は、さらに日本サッカーが強くなっていくことを期待するのと同時に、サッカーが社会の発展に今まで以上に寄与できることを期待します。

日本サッカーを担う次世代の選手や子どもたちには、どのようにスポーツやサッカーに関わってほしいと思いますか?

子どもの頃に、いろいろなスポーツにチャレンジすることは、心や体、脳にもすごくいい影響があるので、サッカーに限らず、どんな形でもスポーツに関わってほしいです。また、これからは男女関係なく「プロサッカー選手になりたい」と、憧れや目標を持てるようなサッカー界になっていってほしいと思います。

次の100年でJFAやサッカーに期待することを教えてください。特に女子サッカーへの思いや期待を教えてください。

もう一度ワールドカップで優勝してほしいですし、私がかなえることができなかった、オリンピックでの金メダルを獲得してほしいです。男子もワールドカップ優勝を成し遂げることを願っています。個人としてはFIFAの年間最優秀選手という最高の賞をいただきましたが、記録はいつか抜かれるものです。その日が来ることを楽しみにしています。

©JFA
プロフィール
澤 穂希(さわ ほまれ)
1978年9月6日生まれ、東京都出身
15歳で日本女子代表に初選出される。2011年のFIFA女子ワールドカップドイツでは、キャプテンとしてなでしこジャパンの初優勝に貢献し、大会MVPと得点王に輝く。同年度のバロンドール授賞式にて、「FIFA女子年間最優秀選手」を受賞。2012年、4度目の出場となったロンドンオリンピックで銀メダルを獲得。6大会連続出場を達成した2015年の女子ワールドカップカナダでは、準優勝に貢献。日本代表での通算205試合出場と83得点は歴代1位の記録。2015シーズンをもって現役を引退、現在は一児の母。

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